うちのクラス、結束力だけはあるよなぁ……戦闘力とか異常性とかもあるけど。 マラソンってボーっとしてるうちにいつの間にか終わっちまう。 春香と話をしながらだと体力減ってねぇような気までしてくる。 教室で待機中の俺達、闘志はかなり燃えている。戦の前の静けさだ。 「これより第41回湊大学附属高校体育大会を始めます」 スピーカーより放送が流れる。 「まず校長先生のお話です。校長先生お願いします」 「宣誓!! 我々選手一同は!! スポーツマンシップに則り、正々堂々闘うことを誓います!!!」 「お、おい……校長、選手宣誓やっちまったぞ……」 「短くなっていいじゃん」 「あの校長だしね……」 俺のつっこみに春香と智樹が答える。 「え〜それでは、教頭の話、選手宣誓をとばして競技を開始します!!」 「校長、マイク乗っ取ったぞ。あれはいいのか?」 「教頭の話なくなったからいいじゃん」 「早く競技始めたいんだね……」 競技開始の放送を聴きヨッシーが口を開く 「じゃ、B組代表して……ここはやっぱり片山より藤木か?いっちょ頼む」 「おう!!」 俺は教卓に立った。俺……ここに立つ回数一番多いんじゃねぇの? 教室を見渡すと、全ての生徒から闘志が漲っているのが分かる。 「相当気合入ってるみたいだな。言うまでもないが……全競技必ずポイントをもぎ取れ!!」 「「「 おお!!! 」」」 「どんな手使ってでも勝利を掴め!!! 俺達に敗北は許されない!!!」 「「「 おお!!!! 」」」 「よし!! いくぞ!!! 俺達の勝利のために!!!!」 「「「 おおぉう!!!!! 」」」 戻ってきた俺に智樹が言う。 「宴会のためにって言わないところがミソだね」 「まぁな。勝利のためのほうが燃えるだろ?」 「煽動だけは本当にうまいわ……」 こうして俺達の体育大会が始まる。 CASE1 マラソン <<雄二>> 俺と春香は5kmのマラソンだ。 「位置について……よ〜い…………」 パンッ 「よし!! いくか!!」 「軽〜く、流しましょ」 1年から3年、A組〜F組の総勢36名が走り出した。 CASE2 サッカー <<智樹>> 「前半は6−3−1で徹底守備でやろう。攻めるのは後半から。 フォワードは田村君。ミッドフィルダーは片山君、君の足で引っ掻き回して」 「おう、任せといてくれ」 「俺は何すりゃいいんだ?」 田村が聞き返す。 「ラッキーボールでも待ってて。前半は攻めないから」 「ひ、ひでぇ……」 素人サッカーではセオリー通りの守備4人は危険すぎる。大抵ディフェンダー以外は攻めに来る。 疲れているところで守備を減らし一気に1点取ってそれを守る。 こっちも手段は選んじゃいられない。 たとえ運動苦手組だとしてもポイントだけは取らないと…… CASE3 バスケ <<健吾>> 俺達バスケ組は優勝を確実にとらねばならない。 雄二達のマラソンと同じくポイントゲッター的競技だ。 負けることだけは許されない。 「よし、我々2−Bはこれより戦闘に入る。準備はいいな?」 「「 サー!! イエッサー!!! 」」 「ポイントを取るんじゃない。10点を取るのだ!!!」 「「 サー!! イエッサーッ!!! 」」 「いくぞ!!」 「「 おうっ!!」」 雄二の真似もたまには役に立つもんだ…… CASE4 野球 <<斉藤>> 「いくわよ。私達の力、魅せてあげましょう」 「「 はいっ!! 」」 こんな野球ごときで……負けるわけにいかない!! CASE5 バドミントン <<結城>> 「お願いッ!! これに負けちゃったらお金取られちゃう上に井上さんに……」 涙を少し滲ませてっと…… 「勝ちを譲って!! 命がかかってるの!!」 「わ、わかったよ。なんとかするよ……」 かかった!! 「ありがとう!! これであたしも助かる!!」 「いや、いいよ。気にしないで。相手があの井上さんじゃな……」 ふぅ。あと何回こんなことやりゃいいんだろ…… ―― 結城さやか バドミントン 第一回戦 VS 3−E戦 早々と勝利 ―― |