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 やっぱりさ、男には言わなきゃならない時があるんだよ
 たとえ言ったあとで重症を負うことが決まっていたとしてもさ
 ああ、誰でもいいからこの状態から開放してくんねぇかなぁ…

第3話 召喚 <<雄二>>

 グッジョブ太陽!! 俺は今最高にいい感じだ。
 俺は今、昼食戦争にて目標を捕獲、食すことに成功し屋上で寝ている。
 幸い春香にも見つかっていない。春の穏やかな空気が俺を眠りに誘う。
 あ〜。もう目を開けてらんねぇ〜ってわけでおやすみ……



 俺、夢見てんな……
 なんだっけ? 夢を夢だって分かるやつ……明晰夢だっけ?
 俺は夢の中で真っ暗な空間にいた。

― だ……た…け…く……い ―

 あ?なんか言ったか?

― だ…かた…けてく……い ―

 聞こえねぇよ。はっきり喋りんさい

― 誰か助けてください!! ―

 カッ

 うわっ!
 真っ暗だった空間に光が差し込む。
 そして俺はその光に包まれた。

 目をあけて最初に見たのはたくさんの木々……
 そして熊に襲われそうな少女……ってやべぇじゃん!!
「おいっ!! 大丈夫か!!」
 俺は迷わず少女に声をかけた。
「あ、あの、助けてください!!」

 あ、夢の声と同じ声……。

 けどさぁ、そこで思うわけよ。どうやって?
 相手…熊よ? 絶対負けるよ?
 むしろおびき寄せたら俺危なくねぇ?
 どうしよ……

1 見捨てる
2 石を投げておびき寄せる
3 リアルバウト(真剣勝負)

 3は無理として……1はちょっと可哀想よな……。やっぱり我が身を犠牲にせにゃならんか……
 俺は手ごろな石を熊に向けて全力で投げつけた。

ビシッ
熊に5のダメージ!!

 熊はこちらに向かって突進をかました。
「うおっ」
 俺はマタドールのように突進をよけると少女に向かってダッシュした。
「おい!! 逃げるぞ!! 全力で走れ!!」
 彼女の手をとって走る俺。なんかいいシーンじゃねぇ?

雄二たちは逃げ出した
しかしまわりこまれてしまった!!

「って、オイ!! 熊速過ぎ!!」
 結局ヤツにとって獲物が増えただけか?
 熊が2本足で立ち上がった。爪の攻撃が来る!!

ビュッ

「おわっ」
 何とか屈んで避けることができたけど次はヤバイ!! 絶対ヤバイ!!
 殺るしかない!! 春香との対戦が無駄じゃなかったところ見せてやる!!!
 屈んだ状態から下段の回し蹴り!!
「ていっ!!」

ドカッ

 よし完璧に決まった!! これで体制が崩れ……ない?
 くそっ!! コイツ防御力硬すぎだ。装備品、獣の皮のくせに!!
 やべぇ爪が来る!! しかも俺、無防備じゃん……

ドシュッッ!!

 二回目の攻撃を俺はあっけなくくらって吹っ飛んだ。
「ぐはっ」
 あ、これやっぱ春香のソバットより効く……。やばくねぇ?結局無駄死にじゃん……
 け、景色が……白くなって……堕ちる……。


― 私の助けが必要か? ―

(朝の夢の女?今かなり必要ッス……死にかけッス)

― そうか……ならば私の名前を呼んでくれ…… ―

(知らねぇよ。朝も聞こえなかったし……)

― 私の名前は…… ―

「ふ…う……か」
 その瞬間、俺の周囲に風が巻き起こり、傷は徐々に治っていった。
 そして俺は2本の短剣を握り締めていた。

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