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 さぁて、それじゃ、もうそろそろ鬼ヶ島の様子を語っていこうか……。
 散々、出番を待ってるみたいだからな……。
 ま、これで桃太郎も終わりだ。せいぜい頑張ってくれや。

番外編 桃太郎 in リオラート3  

「お兄ちゃ〜ん、出番だって〜」
「ふぅ、やっと僕らの出番か……」
「なんで、私が鬼なのかな……。キジとかが良かったなぁ」
「私には無難な役ですね」
「ねぇ、藤木君。私まで……鬼なの」
「うるせぇなぁ、それよりその格好なんとかしろよ!! 目のやり場に困るだろ!?」

 え〜、上から順番に紹介しよう。
 鬼A(藤木 千夏)は、もう紹介済みだったな。もう、お兄ちゃんって言うなよ?
 鬼B(谷口 智樹)。お疲れさん、ようやく出番だぞ。
 鬼C(溝口 奈々)。久々の登場なのに鬼とはついてねぇな。
 鬼D(神無)。絶対に君は鬼に向いてねぇよ。ま、全員そうだけどな。
 鬼E(結城 さやか) 鬼のコスプレがこれほど似合うのも珍しいぞ……。
 鬼F(藤木 雄二) お前、頑張って鬼を纏めろよ?

「お〜い。棍棒持っとけよ〜」
「あのさ……F。そんなことしなくてもさ……投石とかしたら?」
「さすがB様。最高の作戦です!!」

「ねぇ、F。私は何をしたらいいのかな?」
「ん〜……投石やってみるか?」
「私の出番は?」
「悪いんだけどさ、C・D・Eは着替えてくれよ。頼むからさ」

 おいおい……なに赤くなってんだよ、このスケベ。

「うるせぇな!! Bだってそう思うだろ!?」
「まぁね……女性陣全員に着替えて欲しいよ」

「ね〜 桃太郎達が来たよ〜?」
「まずいな…… 投石も間に合いそうに無い……」
「投石なんかいらねぇだろ? こうすりゃいいんだ」

 鬼Fは棍棒を持って人質に向かって振りかぶった。
「お、おい。ユージ……お前、何する気だよ!?」
「いやぁ、悪ぃ。別にお前いなくてもあいつら来るからさぁ……」

「こら!! 雄二!! 人質に手を出さない!!」

 猿が棍棒を素手で止めていた。って、実名を出しすぎだお前等!!

「ちっ、もう来やがったか……。全軍出撃!!」

「「「 お〜〜!! 」」」

 なんて弱そうな鬼達でしょう。闘える者がほとんどいません。

「えいえいえいっ」
「やぁ!! たぁ!!」

 桃太郎は鬼Aと闘っている。 ……子供の殴り合いか?
 もうちょっと緊張感持って闘えよ……。


「おほほほ〜♪ 捕まえられるもんなら捕まえてみなさい♪」
「くそっ、具現化したとたん開放されたように暴れやがって……」
「アレは無理よ……速過ぎるわ」

 鬼E・Fは高速の猿を相手に、本当の鬼ごっこをやっている。
 役が逆だろ? お前等が追いかけてどうすんだよ……。

「僕達がこうして闘うとはね……」
「まったくよ。私もやりづらいわ……」
「B様……」

 鬼B・Dはキジと対峙する。いつまでたっても戦闘が始まらない。
 おい、お前等やる気あんのか?

「「「 ない 」」」

 だけどなぁ、このままだと終わらねぇから始めちゃってくれや。
 鬼B・Dとキジは戦闘を開始した……と。
 あとは……

「いや〜〜〜〜〜!!」
「こらっ! おとなしく、くらいなさい!!」

 …………犬のファイアーボールに鬼Cが逃げ回ってる。

「雄二〜! 助けて〜!」
「待ってろ!! 今行く!! オイ、犬!! 火はやめて水にしろ!!」
「敵の言うことなんか聞くわけないでしょ」

 うるせぇなぁ……早くやられろよ……エンディングが待ってるんだよ。

「わぁったよ!! ほれ、コリン。適当に撃ってくれ」
「いい度胸ね。<<ファイアボール!!>>」

 全員に向かって火の玉が襲い掛かった……容赦ねぇなぁ。

「うわ〜 やられた〜」
 鬼Aにはかすっただけだったが、大袈裟に倒れた。

「……うわぁ、やられ…た?」
 鬼Bには簡単に当たった、がダメージがほとんどなかった。
「ト、トモキ様……」
 鬼Dもそれに続いて、重なるように倒れた。 実名を出すなっつの!!

「藤木君〜 私やられたの?」
「……いいから倒れとけ」
「雄二〜 私もやられた〜」

 鬼Fは10発ほどの直撃を受けて倒れた。何の差別だこりゃ?
 鬼C・Eは当たりすらしなかったが、わざとらしくゆっくり倒れた。
 鬼Cにいたっては、鬼Fの隣で嬉しそうに眠ってやがる。よかったな、藤木。

「………別に」
「ん? 雄二は嬉しくないんだ?」
「な!? んなこと言ってねぇだろ!!」

「じゃあ、嬉しい?」
「…………」

 オイ!! お前等は一応退治されたんだぞ!! 乳繰り合ってんじゃねぇ!!
 え〜鬼は退治され、無事に人質を……助けられてねぇな。

「………あ、お父さん。………ゴメン」
「お前、周囲の状況考えろよな……」

 犬のファイアーボールを鬼よりもたくさんくらっていた人質でした。
 ……こんな救出劇でいいのか?

「さぁ、お家に帰りましょう!!」
「あたし達も行くの? あの人達のいる家に?」

 いや、物語はここで終わりだぞ? 渡された台本ではそうなってる。
 帰る道の途中で『桃太郎達は家に帰りました。めでたし、めでたし』となってるぞ?


「めでたくないから出てくるんよ?」
「悪ぃ、ヨッシー。おとなしく家で待ってようぜって言ったんだけどな?」

 頼むから素直に終わらせてくれよ……井上。
 高槻も、もうちょっと粘れよ。根性ねぇなぁ……。

「俺だってもうちょっと出番が欲しいからなぁ」

 わかったよ。最後にキャスト紹介の時間くれるってよ、好きにしろ。
 桃太郎から順番にな?

「え? えっと……桃太郎をやらせてもらいましたレナです。お疲れ様でした」

「おじいさん役、井上春香だ。普通はあたしが桃太郎じゃないのか? なぁ?」

「おばあさん役の高槻健吾だ。無難な役で終わってホッとしてるよ俺は」

「……犬役のコリンよ。鬼でもいいからもうちょっとマシな役が欲しかったわ」

「猿役は風華でっす♪ 久々に楽しくやらせてもらったわ」

「キジ役のエリス・クェーデリアよ。これって絶対、配役間違えてるわ」

「船頭役の斉藤有香です。 どうせなら人質役が良かったな、って思ってます」

「攫われ役のジートだ。 こういう役は女の方がいいんじゃねぇか?」

「見送り役、田村直人。 ……絶対納得できねぇよ」

「鬼A役 藤木千夏で〜す。お兄ちゃんや先輩と一緒にやれて楽しかったよ〜」
「鬼B役の谷口智樹です。 僕が語り手をやってた方がいいんじゃないかなぁ?」
「鬼C役のナナです。 ま、雄二と楽しくやれたからいいかな……」
「鬼D役、神無です。智樹様の敵にならなくて良かったです」
「鬼E役の結城さやかよ。桃太郎組が女の子だけだったから活躍できなかったわね」
「鬼F役の藤木雄二だ。 あ〜、俺は特に言いたいことねぇかな……。妥当だと思うぞ?」

 さて、最後は俺だな語り手役の吉原猛だ。ヨッシーって呼んでくれや。
 今回の俺の役にはかなり不満がある。俺は見送り役にしてほしかったんだが……。
 まぁ、いいか……無事に終わったところだが、どうだった?
 ちゃんと桃太郎になっていたか? …………なってるわけねぇよな。

 俺達の劇はこれで終わりだ。また、こういうことすることがあるかもな!!



あとがき
え〜、急に書き始めた緊急企画。30万HIT&1周年記念作品です。
配役は例によってトランプでランダムに配置されております。
コメディになっていたでしょうか? 笑っていただけたでしょうか?
もし、笑っていただけたら私は満足ですし、嬉しいです。

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