さぁて、それじゃ、もうそろそろ鬼ヶ島の様子を語っていこうか……。 散々、出番を待ってるみたいだからな……。 ま、これで桃太郎も終わりだ。せいぜい頑張ってくれや。 「お兄ちゃ〜ん、出番だって〜」 「ふぅ、やっと僕らの出番か……」 「なんで、私が鬼なのかな……。キジとかが良かったなぁ」 「私には無難な役ですね」 「ねぇ、藤木君。私まで……鬼なの」 「うるせぇなぁ、それよりその格好なんとかしろよ!! 目のやり場に困るだろ!?」 え〜、上から順番に紹介しよう。 鬼A(藤木 千夏)は、もう紹介済みだったな。もう、お兄ちゃんって言うなよ? 鬼B(谷口 智樹)。お疲れさん、ようやく出番だぞ。 鬼C(溝口 奈々)。久々の登場なのに鬼とはついてねぇな。 鬼D(神無)。絶対に君は鬼に向いてねぇよ。ま、全員そうだけどな。 鬼E(結城 さやか) 鬼のコスプレがこれほど似合うのも珍しいぞ……。 鬼F(藤木 雄二) お前、頑張って鬼を纏めろよ? 「お〜い。棍棒持っとけよ〜」 「あのさ……F。そんなことしなくてもさ……投石とかしたら?」 「さすがB様。最高の作戦です!!」 「ねぇ、F。私は何をしたらいいのかな?」 「ん〜……投石やってみるか?」 「私の出番は?」 「悪いんだけどさ、C・D・Eは着替えてくれよ。頼むからさ」 おいおい……なに赤くなってんだよ、このスケベ。 「うるせぇな!! Bだってそう思うだろ!?」 「まぁね……女性陣全員に着替えて欲しいよ」 「ね〜 桃太郎達が来たよ〜?」 「まずいな…… 投石も間に合いそうに無い……」 「投石なんかいらねぇだろ? こうすりゃいいんだ」 鬼Fは棍棒を持って人質に向かって振りかぶった。 「お、おい。ユージ……お前、何する気だよ!?」 「いやぁ、悪ぃ。別にお前いなくてもあいつら来るからさぁ……」 「こら!! 雄二!! 人質に手を出さない!!」 猿が棍棒を素手で止めていた。って、実名を出しすぎだお前等!! 「ちっ、もう来やがったか……。全軍出撃!!」 「「「 お〜〜!! 」」」 なんて弱そうな鬼達でしょう。闘える者がほとんどいません。 「えいえいえいっ」 「やぁ!! たぁ!!」 桃太郎は鬼Aと闘っている。 ……子供の殴り合いか? もうちょっと緊張感持って闘えよ……。 「おほほほ〜♪ 捕まえられるもんなら捕まえてみなさい♪」 「くそっ、具現化したとたん開放されたように暴れやがって……」 「アレは無理よ……速過ぎるわ」 鬼E・Fは高速の猿を相手に、本当の鬼ごっこをやっている。 役が逆だろ? お前等が追いかけてどうすんだよ……。 「僕達がこうして闘うとはね……」 「まったくよ。私もやりづらいわ……」 「B様……」 鬼B・Dはキジと対峙する。いつまでたっても戦闘が始まらない。 おい、お前等やる気あんのか? 「「「 ない 」」」 だけどなぁ、このままだと終わらねぇから始めちゃってくれや。 鬼B・Dとキジは戦闘を開始した……と。 あとは…… 「いや〜〜〜〜〜!!」 「こらっ! おとなしく、くらいなさい!!」 …………犬のファイアーボールに鬼Cが逃げ回ってる。 「雄二〜! 助けて〜!」 「待ってろ!! 今行く!! オイ、犬!! 火はやめて水にしろ!!」 「敵の言うことなんか聞くわけないでしょ」 うるせぇなぁ……早くやられろよ……エンディングが待ってるんだよ。 「わぁったよ!! ほれ、コリン。適当に撃ってくれ」 「いい度胸ね。<<ファイアボール!!>>」 全員に向かって火の玉が襲い掛かった……容赦ねぇなぁ。 「うわ〜 やられた〜」 鬼Aにはかすっただけだったが、大袈裟に倒れた。 「……うわぁ、やられ…た?」 鬼Bには簡単に当たった、がダメージがほとんどなかった。 「ト、トモキ様……」 鬼Dもそれに続いて、重なるように倒れた。 実名を出すなっつの!! 「藤木君〜 私やられたの?」 「……いいから倒れとけ」 「雄二〜 私もやられた〜」 鬼Fは10発ほどの直撃を受けて倒れた。何の差別だこりゃ? 鬼C・Eは当たりすらしなかったが、わざとらしくゆっくり倒れた。 鬼Cにいたっては、鬼Fの隣で嬉しそうに眠ってやがる。よかったな、藤木。 「………別に」 「ん? 雄二は嬉しくないんだ?」 「な!? んなこと言ってねぇだろ!!」 「じゃあ、嬉しい?」 「…………」 オイ!! お前等は一応退治されたんだぞ!! 乳繰り合ってんじゃねぇ!! え〜鬼は退治され、無事に人質を……助けられてねぇな。 「………あ、お父さん。………ゴメン」 「お前、周囲の状況考えろよな……」 犬のファイアーボールを鬼よりもたくさんくらっていた人質でした。 ……こんな救出劇でいいのか? 「さぁ、お家に帰りましょう!!」 「あたし達も行くの? あの人達のいる家に?」 いや、物語はここで終わりだぞ? 渡された台本ではそうなってる。 帰る道の途中で『桃太郎達は家に帰りました。めでたし、めでたし』となってるぞ? 「めでたくないから出てくるんよ?」 「悪ぃ、ヨッシー。おとなしく家で待ってようぜって言ったんだけどな?」 頼むから素直に終わらせてくれよ……井上。 高槻も、もうちょっと粘れよ。根性ねぇなぁ……。 「俺だってもうちょっと出番が欲しいからなぁ」 わかったよ。最後にキャスト紹介の時間くれるってよ、好きにしろ。 桃太郎から順番にな? 「え? えっと……桃太郎をやらせてもらいましたレナです。お疲れ様でした」 「おじいさん役、井上春香だ。普通はあたしが桃太郎じゃないのか? なぁ?」 「おばあさん役の高槻健吾だ。無難な役で終わってホッとしてるよ俺は」 「……犬役のコリンよ。鬼でもいいからもうちょっとマシな役が欲しかったわ」 「猿役は風華でっす♪ 久々に楽しくやらせてもらったわ」 「キジ役のエリス・クェーデリアよ。これって絶対、配役間違えてるわ」 「船頭役の斉藤有香です。 どうせなら人質役が良かったな、って思ってます」 「攫われ役のジートだ。 こういう役は女の方がいいんじゃねぇか?」 「見送り役、田村直人。 ……絶対納得できねぇよ」 「鬼A役 藤木千夏で〜す。お兄ちゃんや先輩と一緒にやれて楽しかったよ〜」 「鬼B役の谷口智樹です。 僕が語り手をやってた方がいいんじゃないかなぁ?」 「鬼C役のナナです。 ま、雄二と楽しくやれたからいいかな……」 「鬼D役、神無です。智樹様の敵にならなくて良かったです」 「鬼E役の結城さやかよ。桃太郎組が女の子だけだったから活躍できなかったわね」 「鬼F役の藤木雄二だ。 あ〜、俺は特に言いたいことねぇかな……。妥当だと思うぞ?」 さて、最後は俺だな語り手役の吉原猛だ。ヨッシーって呼んでくれや。 今回の俺の役にはかなり不満がある。俺は見送り役にしてほしかったんだが……。 まぁ、いいか……無事に終わったところだが、どうだった? ちゃんと桃太郎になっていたか? …………なってるわけねぇよな。 俺達の劇はこれで終わりだ。また、こういうことすることがあるかもな!! |
あとがき え〜、急に書き始めた緊急企画。30万HIT&1周年記念作品です。 配役は例によってトランプでランダムに配置されております。 コメディになっていたでしょうか? 笑っていただけたでしょうか? もし、笑っていただけたら私は満足ですし、嬉しいです。 |